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このページではコンサルタントが、会社の譲渡は「きっかけ」大事な理由をお伝えします。
成功の鍵は理由ではなく「きっかけ」!
会社の譲渡が、世代交代の1つとして爆発的に増えていますが、成功の鍵はきっかけと言っても過言ではありません。
私は普段、たくさんの経営者と面談をしていますが、会社譲渡を迷っている方が陥りがちな考えがあります。それは、自分と同じような立場の人の「譲渡理由」を必要以上に気にすることです。でも、譲渡する理由はほとんど同じなので気にする必要はないと思います。大事なのはきっかけです。きっかけの違いで、その後の道が大きく変わってくるのです。
このページでは、譲渡する場合、理由よりもきっかけがいかに大事かをわかりやすく説明したいと思います。今まで私が出会った経営者の経験をもとに以下に整理してみました。
譲渡する理由
まず理由ですが、だいたいが以下の6個に絞られます。
- 後継者がいない
- 後継者候補が継がない
- 人手不足
- 経営に疲れた
- 今後の経営が不安
- 高く売れる
譲渡したきっかけ
- がん発症
- 脳梗塞発症
- 腰痛重症化
- 社長の死
- パートナーとの離別
- 親族の介護
- 職員との喧嘩
- 急激な人手不足
- 取引先との喧嘩
- 法改正
- 経営難
- 競合店の出現
- 主要取引先との離別(移転)
- 他事業の失敗
- 後継者不在が確定
- 他事業への注力
- 周りの経営者の会社譲渡
- 譲渡セミナーへの参加
- 相続セミナーへの参加
- 譲渡勧誘
- などなど
以下、私の考察です。これらのきっかけたちですが、勝と負の2つに分けられます。そうです。この違いが成功の別れ道なのです。守りから始まるM&Aがいかに勿体無いか、具体的に例を挙げてせつめします。
負から始まるM&A
M&Aを始めるきっかけを一つ一つコメントしていきたいと思います。
病気がきっかけ
がん
誰もがショックを受ける病気です。今まで宇宙人ではないかと思われるような勢いで仕事をしてきた人でも、人生最大の落胆を味わうそうです。このがんがきっかけでM&Aする場合、会社を手放す選択をするというよりも、会社を手放さざるを得ない状況になる人が多いです。死を意識する病気ですので、まず相続人となりうる人たちの意向確認が必要になり、いろいろ相談した結果、譲渡するという選択肢を選ぶ傾向が強いかと思います。会社が高く売れたとしても、不幸から始まるM&Aですので、心残りは必ず起きるでしょう。
稀に、死ぬまでやるんだ!と言って続けていたが、病気にかかり経営できなくなり、譲渡した方もいます。その人にとっては本望かもしれませんね。ただし、家族には大変な迷惑がかかることを承知しておいたほうがいいかもしれません。
脳梗塞
これも不幸から始まるM&Aです。脳梗塞の場合、大きく3つに分けられます。即死、後遺症、無傷。
即死の場合は家族に想像を超える負担がかかります。葬式や行政の手続きに加え、多額の資産を狙った勧誘者がドッと押し寄せます。会社のオーナーともなると、名前も世間に知られていることが多く、亡くなるとすぐに情報が拡散されます。すると、嗅ぎ付けた業者が直接来たり、手紙を送ったり、電話したりとドッと押し寄せるのです。私が以前お付き合いした社長夫人は「社長が亡くなってから毎日ハイエナが家に来るようになった」と憤慨するとともに対応に追われ疲労困憊状態になっていました。
後遺症が残る場合もいい方向には進みません。以前のような経営判断も間違いなくできなくなりますし、気力も落ち、M&Aせざるを得ない状況になりやすいです。家族も介護に追われ、会社の経営どころではなくなる方も多いです。会社を任せられる人がいたとしても、最終的にはオーナーの子供が相続する事になるのだから、これを機に譲渡しようと結論付けた方もいらっしゃいました。
無傷の場合の譲渡は、ハッピーリタイアできる可能性が高いです。なぜなら、今までの経営判断と同じレベルで譲渡の判断もできるからです。ただ、無傷の場合M&Aをせずそのまま経営に復帰してしまう方も多いのが実情です。そして、また再発もしくは違う病気にかかりM&Aをせざるを得ない状況になって納得にいかないM&Aを決断するというパターンも多いです。私の経験上の考えですが、無傷だったとしても身体からのサインと考え、これをきっかけに次の行動に出ることをお勧めします。一度、体調を壊すと全てが以前と同じようにはとはいきません。
腰痛の重症化
この場合はなんとも言えない結果です。病気といってもがんや脳梗塞とは違って、健全な判断ができるので満足のいくM&Aをすることができるでしょう。ただし、腰が悪いと、その後の行動が制限されるということですので、のびのびゴルフしたり、旅行にいったりして余生を満喫したいとお考えの方には残念な形となってしまいますね。
社長の死
これは上の脳梗塞の即死編で話した内容と合致しますので、割愛します。
パートナーとの離別
離別と表現しましたが、死別や離婚、精神的支援者との離別などがあります。どのパターンにも当てはまりますが、気力の低下からくるものです。経営の気力の低下だけならいいのですが、この場合生きる気力も失っている可能性も高いので要注意です。心当たりがある方は、こうならないように事前に準備を始めましょう。
親族の介護
地方出身のオーナーにありがちな事象です。誰も頼ることができず、オーナーが介護をやらざるを得ない状況です。急に介護対応が始まる傾向があります。ですので、M&Aの交渉も明らかに片手間になり、満足のいくM&Aは難しいとも言えます。
職員との喧嘩
中規模の会社に多いケースです。問題になるのは、従業員同士が手を組んで挑んでくる場合です。みんなで辞めると言われてしまうと、営業ができなくなり一瞬で死活問題になります。本当に悪化すると、オーナーが変われば残ると言われるパターンです。
この件の場合、M&Aの準備なんかよりも、まずは喧嘩にならないよう良好な関係を築きましょう。
取引先との喧嘩
薬局会社の場合、処方元ドクターの事を指しています。薬局はドクターありきとも取れますから、処方元とのトラブルは死活問題です。トラブルの種類は無数にありますが、処方元ドクターの奥様に酔った勢いで手を出して、即日絶縁状態になってしまい、M&Aに追い込まれたケースが私の中では思い出深いです。トラブルで多いのは、やはり日頃の対応の積み重ねです。積もり積もって爆発する事がありますので、日々のお付き合いは丁寧にしておきましょう。
経営難
いろんな理由があると思います。この場合、会社を畳む方向になりますので、もしM&Aされて、倒産は免れても満足のいくM&Aとは程遠いでしょう。
法改正
薬局の場合、調剤報酬改定の事を指しています。改定の内容次第では一挙に経営難になります。そうなれば上と同じく満足のいくM&Aにはならないでしょう。もしM&Aできたとしても改定前に譲渡した場合と譲渡額を比べたら、驚くほど差があり、少なからず後悔するはずです。
また、9月頃から本格的に改定の情報が出てきます。今年もそうかと思います。今、譲渡を検討している方は早く決めてしまった方が良いと思われます。前回の改定では集中率という概念が産まれた改定でした。集中率に伴う減算が予測されたまさにM&A交渉中の薬局さんたちは次々に譲渡額の引き下げに会いましたし、中には譲渡をストップされてしまう売主さんもいました。当事者ではなかった私も胸が痛かったです。このような事態が今回の改定でも起きるでしょう。のんびりしていると後悔します。決めるときは気持ちよく決めましょう。
競合店の出店
これも瞬時に経営難に陥るよくないパターンです。なってしまった後のM&Aはもちろんよくない結末を迎えます。
主要取引先との離別(移転)
薬局の場合、これも処方元を指します。先ほども処方元との喧嘩で取り上げた通り、薬局はドクターありきですので、いなくなってしまっては話になりません。M&Aできる事が稀です。
勝から始まるM&A
- 後継者不在が確定
- 他事業への注力
- 周りの経営者の会社譲渡
- 譲渡セミナーへの参加
- 相続セミナーへの参加
- 譲渡勧誘
私が最も言いたい事
いずれ、譲渡するなら元気なうちから準備しましょう。困ったから譲渡するのではなく、困らないように譲渡するのです。譲渡する可能性が1%でもあるなら準備を始めましょう。結局譲渡しなかったとしても、準備は損にはなりません。準備はみんなが求める方向により進むことなのでむしろ、今の経営にプラスに働きます。世代交代に向けて準備を始めましょう。
以上、「会社の譲渡、成功の鍵は「きっかけ」。理由ではない。」でした。