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【実例紹介】M&Aのメリット・デメリット | いろんな視点で紹介

M&Aについて、いろんな人の立場でのメリットデメリットを説明します。M&Aの登場人物と言えば、買い手と売り手の二者が代表的が、実は非常に多くの関与者がいます。M&Aの良し悪しを見極めるためには、利害関係者全員の把握が必須です。

 
このページではM&Aのメリットデメリットを

売り買いの立場と
利害関係者の立場で
ご紹介します。

 

ちなみに、本ページで紹介する利害関係者の分類としては以下の通りです。

紹介する利害関係者
  • 権限者
  • 従業員
  • 取引先(強者
  • 取引先(弱者
  • 顧客
  • 地域社会
  • 行政機関

 ※「利害関係者」は、ビジネス用語として「ステークホルダー」と言われており、ここでは代表的なステークホルダーをピックアップしております。

それでは本題です。

買い手のメリット・デメリット

単に売り手、買い手と呼んでいますが、いずれも意思決定者を指し、「最終権限者」である方のメリット・デメリットです。

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買い手のメリット

01.時間の獲得

M&Aの最大のメリットです。M&Aは別名「時間の買収」とも言われています。何年もかけないと得られないものが、すぐに手に入ることに大きなメリットを感じる人は多いようです。

例) 製造会社による工場会社のM&A
新製品の製造が既存の工場キャパでは足りない場合、新たな工場が必要になります。その際、新しく建てるよりも早く製造が開始できる工場を他の人が持っていたら、M&Aニーズが生まれます。

 

02.ノウハウと技術の獲得

実は「人材」がこれにあたります。ノウハウなどは組織として、作り上げていくものでもありますが、多くは個人の力の集まりです。労働人口が減り始めた現在、各業界で人材の争奪戦が始まっています。今後M&Aの大きな鍵となるポイントと思われます。

例) ゲーム制作会社による同業社のM&A
IT業界は高い技術力が求められる上、人材が極めて不足していると言われています。高い技術を持った人たちが数人しかいない会社でもM&Aニーズが生まれます。

 

03.事業エリアの拡大

すでに同業社が出店している場合、新たな出店は難しいと考えることが一般的です。すでに出店している同業社を獲得できれば、営業圏も時間も獲得できる事になります。また、販路を獲得するためのM&Aの場合、未開拓のエリアにまで自社のサービスを提供できるようになります。

ex)保険薬局の同業社間のM&A
病院に依存する事が多い保険薬局業界では、立地が価値の大部分を占めます。また、道1つ挟むだけで価値がなくなるほど、局地的な価値のつき方が特徴で、事業を拡大したい会社にとってその立地は高いM&Aニーズとなります。

 

04.経営の効率化

どんな会社も相性の良い業種が一つや二つはあります。そことうまく手を組めれば、効率化もでき、売上さえも上げる事が可能です。

ex1)お寿司会社による漁業会社のM&A
商品の製造も自社で行う事で、原価を抑える事ができます。
ex2)保険会社の介護施設のM&A
販売先を抱え込む事で、溢れようのない売上の向上が見込まれるケースです。

 

05.ライバルの消失

 ライバルの存在は価格競争を引き起こします。ライバルを自社に取り込む事で価格交渉もしやすくなり、利益改善が可能になります。同時に売上の確保にも繋がります。

 

 

買い手のデメリット

01.資金が必要

当然ですが、魅力的な会社ほど高額になります。自己資金に限らず、融資を受けてまでして投資する会社も急増しています。融資を受ける場合、融資側(銀行等)によるM&Aの影響を踏まえた事業計画の厳しい審査があります。デメリットと思われがちですが、第三者によるチェックが受けられるという事から進んで選ぶ会社が増えているようです。

 

02.全ては想定通りとならない

全てが計画通りにいくとは限りません。特に以下にあげる項目が注意点であり、譲渡前にしっかりと確認しておく必要があると考えられます。

  • 譲渡後も顧客は継続するか
  • 譲渡後も従業員は続けてくれるか
  • 売主は何か隠していないか

 

売り手のメリット

01.将来性の確保

売り側の権限者には非常に多くのメリットがあります。そのうちの一つが、将来性の確保です。自分が選んだ相手に譲り渡す訳ですから、読みを誤らなければ、確かに将来性は上がるでしょう。

 

02.後継者不在の解決

M&Aをする理由で最も多いのが、この項目です。M&A後、いい方向に行くのか悪い方向に行くのかは不確実性がありますが、M&Aをすることで後継者は確実に見つかります。この確実であることもメリットの一つです。

 

03.従業員雇用の安定

M&A後は、前の会社より大きくなるので自然と安定性を高まります。この点を大事に思う権限者も多いのが事実です。

 

04.経営基盤の強化

上に同じく、前の会社よりも大きな会社になります。かつ、M&Aをするほど積極的な会社と一緒になるわけですから、自然と経営基盤も強化されることでしょう。

 

05.不得意事業からの離脱

一部の事業を売却する場合に限った話です。企業の生き残りをかけて、事業の多角化をする会社もたくさんあります。しかしながら、皆が皆、全部得意であるわけがなく、苦手な事業もあります。そういう方にとっては主事業に注力することができるようになるため、非常に大きなメリットとなります。

 

06.自由の獲得

M&Aをする理由で多くの割合を占めるのが、この自由の獲得です。中小企業の権限者は企業のオーナーであると共に、現場の一営業員である場合も多いです。そうなると、休みを取れない方も多く、自由を獲得したいと思う人も多いようです。

 

07.商圏の拡大

買い手側の販路などを活かす事で、自社製品もしくはサービスの販売商圏を拡大させる事が可能です。

 

売り手のデメリット

01.権限を失う

望んでいる事かもしれませんが、議決権を渡すと経営の権限が無くなります。今まで全て自分の希望で出来ていた事ができなくなり、かつ第三者がコントロールするようになるのでその点にストレスを感じる方もいるようです。完全に引退する方は良いとして、M&A後も自分の意思を受け継いで欲しいと思う方は工夫が必要かと思われます。

 

02.肩書きを失う

これも上と同じで望まれる事が多い事ですが、M&Aにより「社長」や「取締役」などの肩書きが無くなる方もいます。世間体を気にする際はしっかりとした対応が必要かと思われます。

ex1)社長だけの集まり

ex2)子供の入学試験

ex3)子供の結婚式

 

03.不本意な経営方針へのシフト

M&Aする前に入念な打合せ(お互いの意向の確認)は行いますが、実際行動に移すとズレが生じるのは当然です。そのズレも想定内にできるような交渉をしておく事が必要かと思われます。経験のあるM&Aアドバイザーの助言が最も生かされる場面ですので、気になる方は相談する事をオススメします。

 

04.資産運用等の勧誘増加

M&Aにより多額の譲渡代金を手にする方もいます。それを知った者(紹介者や銀行等)からの資産運用提案がたくさん来る事があります。しつこいと思われる方も多いようで、ある程度の運用方法を予め決めておくなどの事前対策が必要かと思われます。

 

05.譲渡後の時間の持て余し

簡単にいうとM&Aの後、暇になってしまうという事です。これも望んでいる事かもしれませんが、完全に暇になっては困るという方もいるかと思います。そうならないように、譲渡契約を結ぶ事も可能ですのでM&Aアドバイザーに相談する事をお勧めします。

 


 
 





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利害関係者たちのメリットデメリット

 

従業員

買い手側:従業員のメリット 

〜 ノウハウの取得 〜

従業員の目線としては、実はメリットはそんなに多くありません。ノウハウを持つ会社をM&Aした場合、新しいノウハウを手にする事が出来るのでメリットとなります。また、同志が増えるのでその点もメリットとなると思われます。

 

買い手側:従業員のデメリット 

〜 仕事が増える 〜

意外なことにデメリットは多く、しかも重たいです。一般論ですが、世間の従業員は仕事に対し意欲的でない事が多いです。よって、M&Aをする事により統合の手続き等が発生し、自分たちの仕事内容が変化し、そして仕事が増える事を好ましく思わない人もたくさんいます。それが続くと社内の雰囲気が悪くなりトラブルとなるケースもあります。売り手側従業員の調整は当然必要ですが、買い手側従業員の調整も忘れてはなりません。

 

売り手側:従業員のメリット 

〜 待遇が改善 〜

買い手の会社の方が事業規模が大きい事を前提としますが、大きい会社に仲間入りするので、将来性、福利厚生、待遇が改善します。特に残業に関してはより細かいルールになる事が多いです。(働き方改革などの影響で、サービス残業がなくなり、以前と同じ働き方をした場合、支給額が上がる傾向があります。)規程等も以前より充実する事が多いので、働きやすくなる傾向があります。

 

売り手側:従業員のデメリット 

 〜 将来不安や環境変化でストレス増 〜

M&Aする事により、規定やシステム、業務の流れが変わる事があり、その変化にストレスを感じる方も多いかと思います。また、大きい会社になればなるほど融通が利かなくなる事があるため、その点もストレスを感じる方もいるかと思います。

 

取引先(強者)

 ここでいう強者とは、例えばM&A対象会社が下請け会社だった場合、発注元会社を指します。もう一つ例えると、M&A対象会社が薬局だった場合、病院を指します。

 

買い手側:取引先強者のメリット 

〜 取引量の増加 〜

取引先が増える可能性があります。また、取引において、強者であるので取引内容の変更を要求できる可能性があります。

 

買い手側:取引先強者の 〜デメリット 

〜 ライバルの出現 〜

新たな取引先強者が現れるので、競合する場合があります。相手がやり手だった場合、取引量が減る可能性もあります。

 

売り手側:取引先強者のメリット 

〜 取引量の増加(消極的) 〜

買い手側と同様、取引先が増える可能性があります。しかし売り手側の取引先なので、買い手側の取引先より可能性は劣ると言えます。

 

売り手側:取引先強者のデメリット 

〜 ライバルの出現 〜

売り手側の立場なので、強者の力を発揮できる機会が少なからず減ります。強者の立場と言えど、以前よりやりにくくなります。

 

 

取引先(弱者)

ここでいう弱者とは:例えばM&A対象会社が下請け会社だった場合、二次下請け会社を指します。もう一つ例えると、M&A対象会社が薬局だった場合、医薬品卸会社を指します。

 

買い手側:取引先弱者のメリット

〜 取引量の増加(強) 〜

対象会社(買側)次第だが取引量を増やしやすい。(取引においても、譲渡後は買い手側がイニシアチブを取るため)

 

買い手側:取引先弱者のデメリット

〜 条件の厳格化 〜

対象会社(買側)次第で取引量は増えるかもしれないが、その分、取引条件が厳しくなる可能性がある。(価格、納期、質など)

 

売り手側:取引先弱者のメリット 

〜 取引量の増加(弱) 〜

対象会社(買側)次第だが取引量を増やしやすい。(取引においても、譲渡後は買い手側がイニシアチブを取るため)

 

売り手側:取引先弱者のデメリット

 〜 取引量の減少 〜

対象会社(買側)次第だが、売り手側であるため取引量が減少しがちとなる。

 

顧客

買い手側:顧客のメリット

〜 スケールメリットからの恩恵(弱) 〜

大きなメリットはないですが、対象会社の規模がより大きくなることにより、スケールメリットが生まれ、顧客へのサービス内容が充実する可能性があります。

 

買い手側:顧客のデメリット

〜 特になし 〜

悪質なM&Aをしていない限りデメリットは見当たりません。

 

売り手側:顧客のメリット

〜 スケールメリットからの恩恵(強) 〜

上と同様、対象会社の規模がより大きくなることにより、スケールメリットが生まれ、顧客へのサービス内容が充実すると思われます。なお、スケールメリットの振れ幅が買い手側よりも大きいので、メリットの効果も買い手側よりも大きくなると考えられます。

 

売り手側:顧客のデメリット

〜 融通が効かなくなる 〜

対象会社がより大きな会社になるので、例えば値引きなど、現場の肌感覚でできていたサービスは厳格化され、融通が利かなくなる事があります。

 

地域社会

買い手側:地域社会のメリット

〜 安心感の増大(弱) 〜

M&Aする事でより大きな安定した会社になるという事から、地域にも大きな貢献をしてくれると考えられ、地域の安心度を上げる効果があると考えられます。

 

買い手側:地域社会のデメリット

〜 不安感の増大(失敗の場合) 〜

M&Aが失敗となる結果だった場合、地域に不安感を与える事が考えられます。

 

売り手側:地域社会のメリット

〜 安心感の増大(強) 〜

上と同様、M&Aする事でより大きな安定した会社になるという事から、地域にも大きな貢献をしてくれると考えられ、地域の安心度を上げる効果があると考えられます。なお、スケールメリットの振れ幅が買い手側よりも大きいので、メリットの効果も買い手側よりも大きくなると考えられます。

 

売り手側:地域社会のデメリット

〜 地域の和の乱れ 〜

地域性にもよりますが、個人事業主の結束で地域性を築いてきたエリアのM&Aの場合、地域性が大きく崩れる可能性があり、地域社会からは喜ばれない可能性があります。

 

 

行政機関

買い手側:行政機関のメリット

対象会社は、より責任を持つ立場になり、ルールに適切に対応する必要が出てくる観点から、行政機関としては喜ばしい事象と考えられます。

 

買い手側:行政機関のデメリット

〜 手続きの複雑化 〜

県を跨いだ事業になると手続きが増える事があります。

 

売り手側:行政機関のメリット

〜 対応レベルの引上げ 〜

上と同様、対象会社は、より責任を持つ立場になり、ルールへの適切な対応がより必要になる観点から、行政機関への対応が充実されることが

 

売り手側:行政機関のデメリット

〜 手続きの複雑化 〜
買い手側のデメリットと同様、県を跨いだ事業になると手続きが増える事があります。

 

 

以上、「【実例紹介】M&Aのメリット・デメリット | 利害関係者ごとに解説します」でした。