更新日:平成30年1月13日
調剤報酬改定の公式情報を随時更新しています。
ようこそ、薬サポ君(@YakuSapo)のページへ。
目次
速報:NEW!!
基準調剤加算、廃止
<平成30年1月10日更新>
中医協から1/10に発表された資料にしっかりと書かれております(6ページ参照)。ただ、諸々なくなるわけではなく、名称が変わるような気がします。地域に根付いた医療という方針は相変わらずありますので、内容や算定条件は大きく変わらず、名称が変更になることが予測されます。
改定アンケート結果、発表!
<平成29年11月10日更新>
中医協 診療報酬改定結果検証部会(54回)11月10日開催!資料
平成29年6月に発表された、改定についてのアンケート結果が発表されました。
財務省からのJアラート!?
<平成29年10月26日更新>
財務省:財政制度分科会(10/25)の資料一覧が一般公開されました。
財政制度分科会(平成29年10月25日開催)資料一覧 : 財務省
特に22ページから重要です。 全てを確認するのは手間だと思うので、要点をまとめてみました。
・技術料において、調剤は医科や歯科より増加率が高い。
・大手調剤は前回改定の影響はあまりなかった。
・大手調剤は立て続けに不正請求をした。
・時代に見合った調剤料になっていない。
・20店舗ほどの会社は努力をしなくても点数がもらえる要件設定になっている。
・大手に限らず、集中率は低くあるべき。
・ジェネリックは引き続き、80%を目標とするべき。
この時期に財務省がここまで分析し、具体的な数値を表してきたのは初めての事だと思います。しかも、全部厳しい意見。で、結局どうなるのかを予想してみると、大手調剤には前回改定に加えて更なる重荷を、、中堅調剤には今までにない重荷を、、科す改定内容になるんだと思います。
公表データ解説
以下の項目について掘り下げたいと思います。
- 処方せん40枚
- 箱出し調剤
- リフィル処方(分割処方)
- かかりつけ薬剤師
- 調整前服薬指導
処方せん40枚
▶︎元情報:新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会審議会資料 |厚生労働省
薬剤師の雇用を守るための制度という神話みたいな制度ですが、ついに神話ではなくなりそうです。
発表された文の中に「人材不足に対応しうる効率的で生産性の高い業務にシフト」とあるように、薬剤師一人当たり処方せん40枚の規制が見直されそうです。これまでの発表で、ここまではっきりとした言い回しはなかったと思いますので、本格的に見直しが検討されるのではないかと思います。薬剤師の必要性を主張する薬剤師会と国とのやりとりが注目されそうです。
40枚以上に引上がると何が起こり得るのでしょうか。当然、薬剤師の過剰が起こります。この規制があるが故に薬剤師が確保されている薬局が稀にあります。特に小規模の店舗です。現在、1日に50枚応需する薬局では2人以上の薬剤師が必要です。仮に40枚制度が撤廃されたら、50枚に対して薬剤師は1人で足りるという判断になるのは容易に想像できる事ですね。薬剤師の負担は上がるかもしれませんが、経営の視点では十分な効率化が測れます。
今、薬局で勤務している方においては、自分の薬局の薬剤師構成がどのような状況であるかを確認しておく必要があるでしょう。また、薬剤師が過剰となってしまった場合、生き残っていける存在なのか、自分の実力を見つめ直す機会とすることもいいかもしれません。
ただし。実際のところ多くの薬局では、この40枚の規制を守るために薬剤師の確保に苦労しているのではなく、個々の業務負担量を下げる目的で確保に追われているのです。ですから、この40枚制度が見直されたとしても当分の間は大きな変化はないかと思われます。
箱出し調剤
▶︎元情報:新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会審議会資料 |厚生労働省
あまり聞き慣れない言葉が発表されました。箱出し調剤と呼ばれる新しい調剤の仕方が誕生するそうです。
錠剤やカプセル剤などの PTP(ブリスター)包装品が入った包装(箱)を、箱から出さずにそのまま患者に交付する調剤手法。※厚生労働省から引用
作業負担が大きく減り、業務の効率化が計れるでしょう。現在、必ず箱を開封し「添付文書」を抜き、包装破れや異物混入、錠数等を確認し、患者に渡している状況かと思います。この作業が全てなくなります。カセッターの整理作業も減るでしょう。これらの作業で担保されることは、製造責任を持っている医薬品メーカーに全責任が行く事になりそうです。(箱単位の数が処方された場合に限ります。少数単位の処方は今まで通りの対応が求められると思います。)
在庫管理や発注は、仕組みを変える必要があるかと思います。多くの薬局では、空き箱を目星(根拠)にして発注すると思いますが、その空き箱がなくなってしまうので困ってしまいますね。払い出す際にメモをとるとか、すぐに発注してしまうとか、自動発注システムにしてしまうとか仕組みの変更は否めないかもしれません。今、システムへの大きな投資を検討している薬局はその辺も意識しておくべきでしょう。
ここからはある意味、裏話です。上で業務負担量減少の話をしましたが、何を意味するかお分かりでしょうか。楽になるからと言って喜んでいる場合ではありません。この発表は、「調剤料」のカットを示唆する発表とも捉えられます。
要するに、調剤する手間が省けたんだから、調剤料いらないでしょってことです。海外には調剤料という概念がない国すらありますので、なくなってしまう可能性は捨て切れません。そして、他にも時間短縮できる業務があるかと思います。今後、見直されていくことを踏まえ、新しいやり方や新しい挑戦が必要になってくるでしょう。
一方で、薬剤師は薬剤師じゃないと出来ない事をする事がより一層求めらるような時代がくると思われます。薬剤師にしか出来ないことを今のうちから磨いておきましょう。
リフィル処方
▶︎元情報:新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会審議会資料 |厚生労働省
日本ではまだ導入されていない「リフィル処方」。いよいよ、導入でしょうか。
簡単にいうと繰り返し使える処方せんです。文具の手帳などで使われる意味と同じです。医師の再診なしで、回数や期間を限定して同じ薬がもらえる仕組みです。導入の目的は、同じ薬をもらうためにかかる受診の手間削減と再診料の削減です。
「医師との連携の下、薬剤師等によるリフィル処方への対応」とあり、薬剤師も医師との連携をより強化して行かなくてはならなそうですね。少し気になるのは「薬剤師等による」とあるように「等」という表現を使っているところです。看護師でしょうか?医薬品卸でしょうか?登録販売者でしょうか?海外でいうテクニシャンでしょうか?いずれにせよ、薬の説明や体調の変化の確認をしないと処方できない仕組みにするはずですので、この書き方は少々疑問が残ります。今後の発表に注目ですね。
2017年10月8日(日)・9日(月・祝)に行われた第50回日本薬剤師会学術大会(東京)で厚生労働省保険局医療課の中山智紀薬剤管理官からリフィルについての発言がありました。簡単にまとめると、なかなか広まっていないので、もう一歩進められるような施策を検討している。とのことでした。以下の記事も参考になりますのでご覧ください。
⇒医師指示下の分割調剤、もう一歩進められる施策検討‐厚労省・中山薬剤管理官 : 薬事日報ウェブサイト
かかりつけ薬剤師
▶︎元情報:新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会審議会資料 |厚生労働省
平成28年度の調剤報酬改定で初めてできた制度です。出来立てということもあり、改良の余地も多くある制度なのではないでしょうか。
今の制度上、かかりつけ薬剤師は、ほぼ常勤の方だけが取れる仕組みになっていますよね。それが見直されそうです。現在は、多くを算定するには常勤の方が投薬メインとなり、非常勤の方が調剤業務メインとなってしまい、業務負担量のバランスが取りづらくなっているのです。これが是正されることは患者にとっても従業員にとっても嬉しいことですね。常勤でない人もしっかり認定薬剤師になっておくほうがいいかもしれません。
調整前服薬指導
▶︎元情報:産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」
調剤報酬改定に直結するか不明ですが、関連する内容なので記載します。
H29.9.15 経済産業省から調整前の服薬指導は法律に抵触しないと発表されました。以下、抜粋記事と一部法律です。
今般、薬局事業者より、薬剤師が患者に薬剤の調製前に服薬指導を行い、その後、調剤した薬剤の郵送等を行うサービスについて、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」)第9条の3第1項(調剤された薬剤に関する情報提供及び指導等)の規定に抵触するか否か、照会がありました。関係省庁が検討を行った結果、照会の事業では、薬剤師が諸条件を確認した上で、薬剤の調製を行う前に、薬局において薬剤師が対面で指導等を行うとしていることから、医薬品医療機器等法律第9条の3第1項の規定に抵触しない旨、回答しました。これにより、薬局での薬剤の調製と服薬指導の順番等に係る、医薬品医療機器等法の規制適用範囲がより明確となり、薬局における患者の待ち時間短縮のための新たなビジネスモデルの確立が期待されます。
実際の薬がなくても服薬指導が可能になったわけですが、物がないのに説明をするのは非常に難しいことです。ましてや、今までは現物確認して服薬指導していたわけですから。薬局によって設備の差があるので、薬局に併せた工夫が求められるでしょう。その工夫を少しだけ紹介します。
- 薬をモニター(写真)で見せる。
- 薬情の写真を見せる。
- 前回処方の写真を見せる。
- 口頭のみで指導する。
- 変更薬だけ現物を見せる。
いずれの方法も、今までと同じような質では、不十分だと思われます。綺麗な写真に変更してみたり、設備や配置を変えるなどのさらなる工夫が求めらそうですね。
全体スケジュール
※2回目の目次です。
以下、公式リンク全まとめーーーーーーーーーー
厚生労働省
厚生労働省から発信される情報は以下の通り大きく4つです。
・平成30年度診療報酬改定
・中央社会保険医療協議会
・厚生科学審議会
・社会保障審議会
平成30年度診療報酬改定
ホーム▶政策について▶分野別の政策一覧▶健康・医療▶医療保険▶平成30年度診療報酬改定について
※まだページはありません。今後、下記の内容が掲載される予定で、最も重要なページです。
・改定にかかる経緯
・改定の概要
・関係法令等
・省令、告示
・通知
・事務連絡(疑義解釈含む)
・その他、関連情報
・電子点数表等
中央社会保険医療協議会
ホーム▶︎政策について▶︎審議会・研究会等▶︎中央社会保険医療協議会(中医協)
第359回2017年8月23日▶2 医薬品の薬価収載について 資料【☆★★】
第358回2017年8月9日▶平成30年度診療報酬改定に向けた議論(第1ラウンド)の概要 - 資料【☆★★】
第354回 2017年6月28日▶2 診療報酬改定結果検証部会からの報告について資料【☆★★】
第353回 2017年6月14日▶2 薬価専門部会からの報告について 資料【☆★★】
第349回 2017年4月12日▶3 在宅医療(その2)について 資料【☆★★】
第348回 2017年3月29日▶3 調剤報酬(その1)について 資料【☆★★】
第347回 2017年3月15日▶8 最近の医療費の動向について資料【☆★★】
第53回 2017年6月28日▶平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成29年度調査)の調査票案について 資料
第52回 2017年5月31日▶2 平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成28年度調査)の報告書案について 資料
第51回 2017年2月22日▶平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成28年度調査)の報告書案について 資料
第50回 2016年9月28日▶平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成28年度調査)の報告書案について 資料
第49回 2016年5月18日▶平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成28年度調査)の報告書案について 資料
厚生科学審議会
ホーム▶︎政策について▶︎審議会・研究会等▶︎厚生科学審議会
第2回 資料 2017年6月22日▶参考資料8-1新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書(pdf)
第1回 資料 2017年3月30日▶参考資料1薬局、医薬品販売について(pdf)
社会保障審議会
財務省
財政制度等審議会
内閣府
経済財政諮問会議
第10回経済財政諮問会議平成29年6月9日▶︎(1)「経済財政運営と改革の基本方針2017」(案)について資料
第8回経済財政諮問会議 平成29年5月23日▶︎資料2 薬価制度等の抜本的見直し・国保制度のインセンティブ改革(塩崎臨時議員提出資料)資料
過去の改定
お題の通り、過去を見ておこうってことで、前回改定(2016平成28年調剤報酬改定)の内容リンクを貼っておきます。ぜひ参考にしてください。
平成28年度診療報酬改定
ホーム▶政策について▶分野別の政策一覧▶健康・医療▶医療保険▶平成28年度診療報酬改定について
改定の概要▶︎2.平成28年度診療報酬改定関係資料(平成28年3月4日改定説明会資料)▶︎ 平成28年度診療報酬改定説明(調剤) [5,707KB]▶︎資料
調剤報酬点数表(過去4回分)
以上「調剤報酬改定のまとめ | 平成30年度 | 2018【40枚規制,リフィル処方,箱出し調剤,かかりつけ】予想も加えて。」でした。新しい情報が出次第、情報を更新していきます!
<騙されたと思って見て欲しい>