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【薬剤師目線】ロキソニンの副作用をバカにしてはいけない。腹痛・頭痛・むくみ・予防法が気になる?【添付文書の解説】

薬サポ(YakuSapo)のページへ、ようこそ。

つい先日、目を疑うようなロキソニンの副作用を発症し、落ち込んでいる薬サポです。

それもあってロキソニンの副作用について詳細を調べましたので、ご紹介します。

痛み止めとして人気のロキソニンだけど、副作用ってどんなのがあるの?

こんな疑問をお持ちのあなたへ。

ロキソニンの副作用の種類と比率

最も信頼性の高い情報としてロキソニンの「添付文書」をベースに紹介して参ります。添付文書では以下の項目に分けて紹介されており、ここでは各項目について触れたいと思います。

  1. 主な副作用
  2. 重大な副作用
  3. 重大な副作用(類似薬)
  4. そのほかの副作用

 ロキソニンの主な副作用

主な副作用については重大性が低いためか、以下に抜粋した通り、文書のみの紹介になっています。ただ、このページを見ている方にとっては、おそらくここが一番大事な話だと思いますので、わかりやすくするため図にまとめてみました。

副作用(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)

総症例134,86例中副作用の報告されたものは409例(3.03%) であった。その主なものは、消化器症状(胃部不快感、腹痛、 悪心・嘔吐、食欲不振等2.25%)、浮腫・むくみ(0.59%)、 発疹・蕁麻疹等(0.21%)、眠気(0.10%)等が報告されている。


「ロキソニン錠60mg/ロキソニン 細粒10%」添付文書参照

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100件に2件が消化器症状

ご覧の通り、臨床試験では約3%の副作用報告がされているそうです。その3%の内訳ですが、やはり有名な副作用である「消化器症状」が大部分の約2%を占めており、残りを「浮腫・むくみ」、「発疹・蕁麻疹等」、「眠気」が占めています。

ポイント
副作用は約3%の確率でしか起こらないが、そのうちの3分の2は消化器症状である。

主な副作用においては、起こる原因がある程度解明されているのでご紹介します。

副作用が発生する原因

消化器症状

ロキソニンなどの種類(非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs))の薬は、痛みを引き起こす物質(プロスタグランジン)の生成を抑える作用がありますが、そのプロスタグランジンは消化器系を保護する物質でもあり、生成を抑制するということは消化器系の保護作用の減退を意味します。ですので、(人のコンディションによりますが)胃酸等の消化酵素が、胃を保護する作用よりも強まった場合、消化器にダメージを与えると考えられています。

浮腫・むくみ

上でも挙げたプロスタグランジンですが、腎血流量を増加させる作用や抗利尿ホルモンを抑制させる作用も持っています。その作用が止まるわけですから、腎臓の水やナトリウムの排泄抑制がおこなわれ、それに伴った体液の貯留がむくみに繋がると考えられています。よく報告される部位は顔面と四肢だそうです。

発疹・蕁麻疹等

アレルギー機序に基づくのではなく、NSAIDs(ロキソニン等)がプロスタグランディン合成酵素であるシクロオキシゲナーゼを阻害することにより生じる、いわゆるイントレランス(intolerance、不耐症)とされる。このNSAIDs不耐症は、小児には少なく、成人に多い後天的過敏体質である。類似病態であるIgEを介するNSAIDsアレルギーと異なり、NSAIDsを初めて使用した場合でも起こりうるとされています。

眠気

ロキソニンによる眠気は症例として実際に確認されていますが、確定的な原因は発表されていません。とはいえ、考えられる原因はあり、それは「抗ヒスタミン作用」です。ロキソニンには抗ヒスタミン作用があります。ヒスタミンには脳を覚醒させる作用があり、ロキソニンはそれを阻害するので、眠気が出てくると考えられています。

ロキソニンの副作用を防ぐ方法

上の章でもお分かり頂けたと思いますが、副作用の大部分は「消化器症状」であり、いわゆる胃や十二指腸の痛み、もたれ、悪心、等が最も多くおきていることになります。他の副作用は、防ぐことは難しい(ほとんどは体内に入ってからのことなので)ですが、消化器症状は体内に入る前なので事前に対応することができます。方法としては以下の3つです。

  • 服用前に食事を摂る
  • 胃保護薬を併用する
  • 用法用量を守る
みなさん、よくご存知の方法ですね。市販でロキソニンを買うときは併せてセルベールの併用をおすすめします。病院ではよくムコスタなどといった薬が併せて処方されますが、ムコスタは市販では販売されておらず、市販薬としての販売がある同系統のセルベールがおすすめというわけです。

上の記事はセルベールについて詳しく書かれた記事になっていますので、よろしければご覧ください。





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ロキソニンの重大な副作用

続いて、2つ目の「重大な副作用」の紹介です。頻度は非常に少ないですが、絶対に見落としてはならない副作用です。頭の片隅に入れておきましょう。下記項目は全て添付文書に記載されていることです。添付文書はこちら http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1149019C1149_1_09/?view=frame&style=SGML&lang=ja

ショック、アナフィラキシー

頻度不明。ショック、アナフィラキシー(血圧低下、蕁麻疹、喉頭浮腫、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少

頻度不明。無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

頻度不明。中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎

頻度不明。急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、急性腎障害に伴い高カリウム血症があらわれることがあるので、特に注意すること。

うっ血性心不全

頻度不明。うっ血性心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

間質性肺炎

頻度不明。発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

消化管出血

頻度不明。重篤な消化性潰瘍又は小腸、大腸からの吐血、下血、血便等の消化管出血が出現し、それに伴うショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、これらの症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

消化管穿孔

頻度不明。消化管穿孔があらわれることがあるので、心窩部痛、腹痛等の症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

小腸・大腸の狭窄・閉塞

頻度不明。小腸・大腸の潰瘍に伴い、狭窄・閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満等の症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

肝機能障害、黄疸

頻度不明。肝機能障害(黄疸、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇等)、劇症肝炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には中止するなど適切な処置を行うこと。

喘息発作

頻度不明。喘息発作等の急性呼吸障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。

無菌性髄膜炎

頻度不明。無菌性髄膜炎(発熱、頭痛、悪心・嘔吐、項部硬直、意識混濁等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(特にSLE又はMCTDの患者に発現しやすい。)

横紋筋融解症

頻度不明。横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。





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ロキソニンの重大な副作用(類薬)

続いて、3つ目の「重大な副作用(類薬)」の紹介です。こちらも頻度は非常に少ないですが、絶対に見落としてはならない副作用です。頭の片隅に入れておきましょう。下記項目は全て添付文書に記載されていることです。添付文書はこちら http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1149019C1149_1_09/?view=frame&style=SGML&lang=ja

再生不良性貧血

他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で、再生不良性貧血があらわれるとの報告がある。

ロキソニンのその他の副作用

最後に「その他の副作用」です。治験の際に見られた副作用(細かいものも含め)です。下記の症状が続く場合だったり、気になる場合は副作用を疑ってみてもいいかもしれません。

過敏症注

0.1〜1%未満:発疹、0.05〜0.1%未満:そう痒感、0.05%未満:蕁麻疹、頻度不明:発熱

消化器

0.1〜1%未満:腹痛、胃部不快感、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、0.05〜0.1%未満:消化性潰瘍注、便秘、胸やけ、口内炎、0.05%未満:消化不良、頻度不明:口渇、腹部膨満、小腸・大腸の潰瘍

循環器

0.05%未満:動悸、頻度不明:血圧上昇

精神神経系

0.1〜1%未満:眠気

精神神経系

0.05%未満:頭痛、頻度不明:しびれ、めまい

血液

0.05%未満:貧血、白血球減少、好酸球増多、頻度不明:血小板減少

肝臓

0.1〜1%未満:AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、0.05%未満:ALP上昇

泌尿器

頻度不明:血尿、蛋白尿、排尿困難、尿量減少

その他

0.1〜1%未満:浮腫、0.05%未満:顔面熱感、頻度不明:胸痛、倦怠感、発汗
注)投与を中止すること。

まとめ

一通り見てお分かりになったかと思いますが、一般の方が一番気にしておくべきことは、最初に挙げた消化器症状、浮腫むくみ、 発疹蕁麻疹等、眠気の4つではないでしょうか。他の副作用は頭の片隅に置いておき、特にこの4つを意識して服用することが大事だと思われます。

以上「【薬剤師目線】ロキソニンの副作用を舐めてはいけない。腹痛/頭痛/むくみ等が気になる?【添付文書の解説】」でした。